2013/11/21

タクシン氏の亡霊にさいなまれるタイ民主党

พรรคประชาธิปัตย์ต่อสู้กับผีของทักษิณชินวัตร
Thai Democratic Party struggled with the ghost of Thaksin Shinawatra
タクシン氏の亡霊にさいなまれるタイ民主党

英字紙を読みまくり、調べたら、アピシット元首相を中心とする民主党議員たちが、裁判所にこの問題を提訴していました。
タイには憲法裁判所という、特別な裁判所があるみたいですが、民主党がこの問題を提訴したのは10月1日のことです。
事の発端は、タイ貢党主体の議会が、タイ上院(参議院みたい)の議員選出方法を、公正なる国民の選挙投票による方法に変えようとした点です。
日本はもちろんこちらの方法なので、日本だったらまったく違憲ではありません。
昨日の夕方ですが、憲法裁判所から違憲裁定(憲法違反)が下されました。
違憲ならばすぐに議会が解散されるかというと、そこは三権分立なのでしょう。
おとがめなしというか、特に言及はありませんでした。
日本でも1票当たりの地域格差が違憲判決を受けていますが、それで選挙が無効となるかと言えば、答えはノーです。
三権分立の精神で、監視はするけれども、改善自体は議会に一任されているようですね。

タイでは下院の議員は25歳以上で立候補できますが、上院では40歳以上でないと立候補出来ません。
上院議員の資質的な要件として、知識階級のようなものに属する必要があるようです。
英語版ではそれが明確に記載されています。
上院議員選挙では地域でのコネとか資金力が一番大切で、バンコク富裕層、ビジネスマン、知識層などのエリート層に属しているのが要件なんです。
これではタイ北部や東北部の農民の間から上院議員が生まれるはずがありません。
タイの憲法では、今の不自然なる方式が望ましいということなのでしょう。
で、上院は全員民主党支持のねじれ国会となっているんです。
ねじれ国会解消のために、インラック首相は上院議員選挙法改定に踏み切ったのだと考えますが、バンコクエリート層からは権力独占のための手法だと、叩かれました。
叩いたのは、アピシット元首相やステープ元副首相などの民主党議員たちなんです。
選挙が公正ならば、またタイ貢献党が勝利するのは間違いないところです。

最近になって、英文読解の速度がかなりあがって来たので、面白くなり、英文読解三昧の日々です。
タイの英字紙として有名なのはバンコクポストとネイションの二大紙です。
どちらもバンコクエリート層に属すると断定します。
記事を読んでいて気分が悪くなるのは、政府広報誌みたいな読売新聞の比ではありません。
これではタイの農民たちは浮かばれないでしょうね。
それで、いきおい数の力に頼ってしまうのでしょうが、デモは暴動に繋がりやすいので注意が肝要なんです。
以下、タイの英字新聞を二週間読み続けた印象です。
ざっくりとした話しとして聞いて下さい。

タイの軍隊と警察はバンコクエリート層寄りです。
タイの裁判所はバンコクエリート層寄りです。
バンコクの一流大学や学者たちはバンコクエリート層支持派です。
タイの商工会などは全部バンコクエリート層支持派です。

バンコクエリート層はプライドが異常に高くて、選挙で選ばれている現体制を認めたくないのだと思います。
ステープ氏などは、タクシン氏支配の社会構造が、これ以上続くくらいならば死んだ方がましだと、公言してはばかりません。
亡霊にさいなまれるとはこのことではないでしょうか。
裁判で膨大な財産を没収されてしまったタクシン氏が現在も生き残れているのは、彼の類い希なるビジネスセンスによるものなのです。
それがステープ氏始め、民主党が一番恐れているところなんです。
学生たちの中には、何でも反対を呪文のように唱えるやからだっているのは、日本と何ら変わりません。

以下資料です、

バンコク週報の記事を引用、
cite from bangkok shuho,

タクシン派議員、憲法裁判断拒否の姿勢を表明
20/11/2013

憲法裁判所が政府の推す上院議員関連改憲案の合憲性に関する判断・決定を下すのを翌日に控えた11月19日、政権党・タイ貢献党の実動部隊「反独裁民主戦線(UDD)」が都内ホアマークのラチャマンカラ・スタジアムで開催中の政府支持集会において、上下院議員約30人がタクシン支持者約6万人を前に、「国会議員には憲法を改正する権限がある。改憲案を支持した上下院議員312人は憲法裁判所の判断を拒否する」と表明した。

上院議員関連改憲案は議会通過に伴い、インラック首相が10月1日に国王陛下のご承認を得る手続きをとったものの、同案を違憲とする訴えが憲法裁に起こされたことから、王室サイドは同案の扱いを決めるべく憲法裁の判断を待っている状態。

なお、学識者からは、「憲法裁判断を拒絶するとの表明は憲法違反。上下院議員312人は罷免に値する」との意見も出ている。

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