2011/03/28

Take a break from bad news ひととき心を緩めて

3月11日の午後、コンケンの自宅で国会中継をみていた。
突然地震警報が発令されて、あーまたかって思っていた。
すぐに国会がグラグラと揺れだして、菅首相が青くなって天井を見つめていた。
すぐに国会中継が中断されたのでカイちゃんをお迎えに小学校まで出かけた。
カイちゃんとセブンイレブンでお買い物をしてから帰宅してびっくり。
お母さんが「あなた、日本が大変なことになっていますよ!」と叫んだのだ。
すぐにタイのニュース番組をみたら、東北地方で大規模な地震が発生、死者は三万人に達する見込み。
タイ語のニュースでもはっきりと聞き取れ、ショックで腰が抜けてしまった。
死者三万人の根拠はCNNのニュースが情報源だった。
地震発生からわずか数時間での発表は多分どんぶり勘定だろうと高をくくっていた。
NHKのこの時点での死者数は数百人にすぎなかった。
時間の経過とともに死者の数はうなぎのぼり、CNNの発表がオーダーで正しかったことが実証された。
多分米国の偵察衛星のデータをCNNがもらっているんだろうなって思った。
あれ以来なんだか気分が落ち着かない。
毎年この時期、二週間ほど家族旅行をするのがスラチャイ家の習慣となってしまっている。
でも、今回ばかりはそのような気分になれなくって家族に迷惑をかけている。

今朝、スラチャイの症状を代弁してくれるような記事を発見したので掲載します。
(スラチャイ記、コンケンの自宅にて)



(Mainichi Japan) March 27, 2011
Kaleidoscope of the Heart: Take a break from bad news
香山リカのココロの万華鏡:ひととき心を緩めて /東京

At the Tokyo hospital I work at, many patients have come in with complaints after the earthquake. "I can't sleep because of the frightening aftershocks," they say, or "I can't ride in elevators," they say, because they are afraid the power will cut while they are inside.
 私が勤務する東京の病院にも、震災の影響を受けた患者さんが、大勢やって来る。「余震が怖くて眠れない」「エレベーターに乗れない」という訴えもあるが、災害と直接、関係ない訴えも多い。

However, I also hear complaints that are not directly related to the disaster, like, "For some reason I can't stop crying," "I get irritated without good reason," or "I keep standing up and sitting down and can't relax."
「なぜだか涙が止まらない」「やたらとイライラする」「落ち着かず立ったり座ったりしてしまう」などがそれだ。

Even though they are not in the disaster areas, these people have been exposed to a long shower of images and words about the disaster, which has probably tired their minds and bodies.
 この人たちは、直接、被災地にいなくても、長い時間、映像や情報のシャワーを浴び、心身が疲労していると思われる。

I say to these people, "Let's try staying away from television and the Internet for a while and spending some time listening to the music you like, reading the comics you like, making cakes, or doing whatever you did in your free time before all of this."
そういう人には「少しのあいだ、テレビやネットから自分を遠ざけて、好きな音楽を聴いたりマンガを読んだりケーキを作ったり、いつもしていたことをしてみましょう」とすすめている。

One person argued against my recommendation: "But doctor, even if I temporarily spent some time relaxing like that, it doesn't change the fact that the earthquake happened. My mother's hometown was badly damaged. No matter how much I escape into fun things, when I am pulled back into reality nothing will have changed. Wouldn't I become even more depressed?"
 私のことばに、こう反論した人がいた。
 「でも先生、そうやって一時、穏やかな時間をすごしたとしても、震災が起きたという事実は変わりません。母の故郷の町も大きな被害を受けたんですよ。いくら楽しいことに逃避しても、はっと現実に戻ると何も変わってないわけでしょう。そうなると余計に落ち込むのでは」

Indeed, that is one view.
 たしかにそういう考えもあるだろう。

However, I still think that escaping into recreation is good.
しかし、私はそれでも「逃避だっていいじゃない」と思うのだ。

With a disaster this large, obviously people within the disaster area have been hit hardest by far, but even those outside those areas have been emotionally hurt.
 これほどの災害になれば、被災地にいる人はもちろん、そうでない人も、心はボロボロに傷つく。

It may take a long time to make a true recovery, and it is necessary to take small rests.
本当の意味で立ち直るには長い時間がかかるかもしれないが、ひととき、“止まり木”のようなところに心を避難させることも必要だ。

Be it 30 minutes or an hour, get away from the reality in front of you and immerse yourself in the world of a video game or a TV series.
30分でも1時間でも、目の前の現実から逃避して、ゲームやドラマの世界に浸る。

Take your time drinking a cup of tea and say out loud, "Ahh, this is good."
時間をかけてお茶を飲み、「ああ、おいしい」と声に出してみる。

Even if it's only for that time, you can put a stop to feelings of uneasiness and hopelessness.
その間だけでも、不安や絶望の感情にふたをする。

Resting oneself this way, even if it's an escape into a fantasy or virtual world, will give one strength to recover.
 そうやって、たとえ幻想やバーチャルの世界を使ってでも、ひととき心を緩め、ほっとする時間を持つことは、必ず回復の力につながっていく。

If people spend 24 hours a day looking at nothing but sadness and struggle, it will wear down their emotional energy, and it could delay their recovery to their normal selves.
24時間ずっと悲しい、苦しい、ばかりでは、心のエネルギーはどんどんすり減り、回復が遅れてしまう可能性もある。

I believe that having a brief time of fun, even if some might consider it self-deceit, will prepare one to face the future in a positive way.
それよりは、たとえまやかしだったとしても、ひととき楽しい気持ちを味わったほうが、少しだけ前向きな気分で現実に取り組んでいくことができるはずだ。

The reality we are confronted with will not go away any time soon.
 目の前の現実は、すぐには変わらない。

Neither, perhaps, will the bad feelings that accompany it.
つらい気持ちも、長く続くかもしれない。

Even so -- no, I should say "because" of that -- we should take a brief escape from reality.
それでも、いやそれだからこそ、ほんのひとときの現実逃避を。

That is my recommendation. (By Rika Kayama, psychiatrist)
そうすすめたい。

毎日新聞 2011年3月22日 地方版

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